活動報告

私たち東京武蔵野中央ロータリークラブは、さまざまな職業のメンバーが
その経験と知識を生かして社会奉仕活動や人道的活動に取り組んでいます。

東京武蔵野RC・東京武蔵野中央RC 合同例会/講演「やって良かった東京五輪」(2021/10/28)

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国際ロータリー第2580地区 水野正人パストガバナー

みなさまこんばんは。本日は東京武蔵野RC・東京武蔵野中央RC合同例会にお招きいただきありがとうございます。親愛なる上山パストガバナーとは吉祥寺の居酒屋でロータリー談義をする仲であり、また、人生の志と仰ぐ櫻井パストガバナーが目の前にいらっしゃるので今日は緊張しております。

東京武蔵野RC村上会長、東京武蔵野中央RC川村会長におかれましては、今年度はコロナの影響もあり、クラブの運営には大変ご苦労されていることと思いますが、そんな中でも、私たちはロータリアンとして超我の奉仕、奉仕の理想を忘れずに、シャカール・メータRI会長の云われるように「奉仕しようみんなの人生を豊かにするために」を実践していければと思っております。

さて、新型コロナウィルスは、世界の大惨事ともいわれる疫病の流行であります。知人の旅行業者は去年の1月あたりはオリンピック関連のツアーの申し込み等でとても忙しく、それが3月からの自粛期間にはすべてキャンセルとなり、その処理は膨大なものだったそうです。どの国でも同じような状況だったと思いますが、ドイツは国としていち早くルフトハンザ航空に日本円で1兆円の支援、対応をしました。やはり国とつかさどる立場の人が素早く判断し、機転をきかせられる国はしっかり動くものです。日本は、慎重になり対応が遅れがちでしたが、日本の国民の真面目さは世界に誇れるものです。

オリンピック招致の時、2011年3月11日の東日本大震災の直後にロンドンの国際会議に行きました。パンフレットを自分で作り、“セーフシティー東京” 東京は安全な街ですと謳いました。そんなとき、「日本はあれだけの災害に遭っている時でも、人が配給の列に並び、秩序を守って、お互いに助け合いながらなんとか乗り越えようとしている。こんな真面目な国、信じられない。日本は安全ですごい国。日本人は真面目だ。」ということで、逆に日本人の真面目さが信用を高めることになりました。

この新型コロナウィルスに対しても、国が自粛をお願いし、秩序を守って、各々努力し、ここまで抑え込めており、これは国民の力であります。そんな素晴らしい国民性のおかげで日本の感染者数は少なくなっていますが、世界ではまた再び増加傾向にあるようです、収束といっても感染者ゼロにするのは難しいといわれていますので本当に落ち着いた生活ができる日がくるのか心配です。

去年(2020年)のお正月には、「いよいよ今年はオリンピックの年だ!」とみんなで話せていたのが、徐々に事態は深刻になり、瞬く間に感染者が増えるとオリンピック史上初めて“1年延期”を認めてもらいました。延期したら、その分十分準備ができるか、というとそう簡単にはいかないのですが、しかし、今年(2021年)の7月23日~8月8日にはオリンピック、8月24日から9月5日にはパラリンピックが開催されました。1年延期したにも関わらず、本当に選手のみんなが頑張ってくれました。選手も複雑な思いで迎えたオリンピック・パラリンピックでしたので、「選手だからと、オリンピック開催に浮かれていて良いのだろうか?」「こんなにも苦しんでいる人がいるのに、申し訳ない気持ちだ」等という選手からの発信が目につきました。しかし、結果は、前回の1964年東京大会では16個だった金メダルが、今回は27個となりました。競技数が増えていることもありますが、野球もソフトボールも金メダルとはすばらしいことです。銀メダルは、14個、銅メダルが17個、メダル数は合計で58個です。8位までの入賞者は78名です。(マラソンだけは、10位までが入賞となります) 

少し競技の話をしましょう。メダルは取れませんでしたが、水泳の池江璃花子選手が重篤な病から復活しオリンピックに出場したことは元気、勇気、大きな感動を与えてくれました。

陸上400メートルリレーでは日本は決勝までいきました。日本がメダルを手にしようと思ったらバトンを投げるように渡さなければならないのです。日本の勝ち目はバトンパスだけ、それに賭けていたのです。日本の作戦だったのですがそれがうまく行かずに、結論は走り切れなかったということです。 

なるほどと思ったことがあります。1600メートルリレー(マイルリレー)は1人400mずつ走ります。当然、陸上選手なら400メートルの競争はよく知っていて絶対ペースで走らないと350mあたりで筋肉が動かなくなる。専門用語でこれを“ケツ割れ”というのですが、みなさんも走ってみたらある程度のところまで行くと筋肉が動かなくなりケツ割れになります。なので、選手は400mの競技は単なるペースで走ります。ところが、リレーは“国の威信”“みんなの期待”がかかっているのでスタートから飛ばす。よく見ていると350mくらいで当然“ケツ割れ”をおこしてヨタヨタしてきます。ところがバトンを渡される次の走者は勢いがあるので“ケツ割れ”状態の選手がなかなか追い付けずにバトンがつながらない。外国の選手たちはリレーのためだけにバトンパスの練習などおこなわないので、日本が勝つには特にバトンパスがポイントとなるようです。

コロナというもので物の価値、価値観が本当に変わりました。価値というのは、そのものにどれほどの値打を持つかということ。例えば、コップ1杯の水も清らかな川の横で飲むときの感じと、砂漠の真ん中で何日もオアシスにたどりついていない状態で手にした1杯とはどれほどの違いがあるかということを考えればわかりやすいかもしれません。これはみなさんよくご存じの需要と供給のバランスになっているのですが。普通に生きていくのが当たり前だと思っていたのではないですか?肺炎になっておぼれるような感じになって、息を吸っても空気が入ってこない、肺が機能せず重篤化するといってもピンとこなかったでしょう。心臓は大事、胃、肝臓が大事・・・肺はいつも普通に呼吸しているだけだから当たり前すぎてそんなに大事だとは思っていなかった。世界各地での厳しい状況からも、肺にこんなに感謝したことはないし、息ができて、健康であることの有難さが良くわかりました。

価値の変化という意味では、コロナによって“オリンピックバリュー”というオリンピックの価値にも変化がありました。IOC(国際オリンピック委員会)の言うことは絶対に守らなければならず、オリンピックを招致するのに様々な努力が必要でした。たとえ開催が決まってもIOCが腕を組んであれこれリクエストをし、国立競技場は何万人とか、どこの競技場は何人以上とか…すべての競技会場は、フェンスで囲わなければならず、(オーバーレイという)安全のために全て網で囲います。その上にまた、観客、メディア、選手、ファミリーという区分けをします。交わるのは、メディアと選手が取材をするときだけで、取材の際は少しフェンスを低くして距離をあけてください・・・・など、こまかくIOCからの指示があります。もちろん、絶対に守らなければならない。

それが、オリンピックバリューが変ったことで、招致合戦ではなく協議による開催国の決定、開催地についても1都市ではなく広域での開催、既存の競技場の利用を検討するようになりました。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。

メディアは盛んにIOCのトーマス・バッハ会長の行動や言葉尻を捕らえて記事にしたり、オーストラリアのジョン・コーツ副会長を見貶したりしていました。持ち上げたり叩いたり・・・・招致活動をしている最終段階での調査では、国民の9割が日本でのオリンピック開催を支持していたのですが、今年のオリンピック直前の調査では3割が開催中止、4割が無観客開催、残りが賛成という結果で、7割以上がネガティブな気持ちを持っていることが分かりました。それだけ否定的だったにも拘わらず、いざオリンピックが開催されると盛り上がりを実感しました。

メディアの取り上げ方もそうですが、放送の技術の変化も素晴らしいと感じる大会でした。実際に会場で観戦するよりもテレビで観ていたほうがはるかに見やすいし、分かり易いものです。観戦チケットが当たった、当たらない、と大騒ぎしましたがテレビで観ると、解説がついて、データがついて、スローモーションやリプレイがあって、ルールの説明まである。柔道は360度8台のテレビカメラで写したものを合成するのですが、本当に臨場感ふれた映像ができあがり、背中がつく瞬間までしっかり見せてくれる。そういう意味では、これからのオリンピックでもある程度の観客は雰囲気を盛り上げるために必要ですが、あとはテレビカメラの台数と技術でいかにうまくスポーツを見せるかという時代に代わってきているなと変化を感じました。

大きなお詫びは、招致活動の際に“2020東京オリンピックで遺産(レガシー)を残しますよといって実現できなかったことです。64年の東京大会ではインフラストラクチャーといわれる社会資本を充実させることができました。高速道路や新幹線、空港整備や競技会場と沢山工事をした結果日本経済の発展にもつながりました。21世紀型のオリンピックのレガシーとは、社会資本、経済的恩恵、文化的財の事を言います。新国立競技場などの建造物から、都市景観、バリアフリーといわれる不自由な方が過ごしやすい設備の整備などの有形遺産のみならず、環境に対する配慮、持続可能性などの精神や文化、観光、国際交流など無形遺産を発展・継承することにも力を注ぎますと大ぼらを吹きましたが叶わず残念でした。

世界に数多ある奉仕団体のなかで、職業奉仕を謳うのはロータリーだけです。日本では、“ロータリーは職業人の集まり”と良く言いますが、みなさんは自分の生業を天職と任じ、高潔な、また倫理観・職業道徳をしっかり持ち社会に貢献するお仕事を進めてもらうとおのずとそれは良い利益体質になるでしょう。それによってうまれた一部分の余財と、自分の時間を使って奉仕をしましょう。ロータリーは奉仕・・・・職業奉仕、クラブ奉仕、社会奉仕、国際奉仕、青少年奉仕とありますが一丁目一番地は職業奉仕です。過日、入会3年未満の方のためのワークショップを開き、その際に「シニアリーダーの方があまりあれしろ、これしろといいすぎるとやめてしまいますよ」、「入会3年未満の方はご自分のできる範囲で奉仕をすればよいのです」といとう話をしました。シニアリーダーと呼ばれる方々は金銭的、時間的にも余裕があります。社会でもロータリーでも長くキャリアを積んでいて、当然ロータリーの知識も山ほどあり、更にはロータリーが大好きで情熱もあります。そういう方が入って間もないロータリアンに、あれ出せこれだせといわれたら辞めて止めてします。範囲内で奉仕すればよいのです。

今回、日本のバスケットボールの銀メダル。私はメダルを取るという気がしていました。選手がのびのびしているのです。のびのびしている選手やチームは良い結果を出しています。これは生き様に関しても同じで、いかにのびのびするかが大事です。のびのびと、朗らかに奉仕活動に取り組むべきだと思っております。

また、ロータリーの良いところは親睦です。知人の集まりではなく、友人の集まりなのです。心を許して、いろいろな話をして、悩みを打ち明け合って、そうして友情の輪を広げていくのがロータリーですから。窮屈である必要はありません。“ちょっとほっとした”という話を私もほっとしました。((笑))

西洋では、“Win-Win”買い手が良ければ、売り手も良い。双方が利益を得られるということが云われています。日本は“三方よし”売り手良し、買い手良し、世間良し。売り手と買い手が共に満足し、同時に社会高家もできるのが良い商売という考えです。

ロータリーの“四つテスト”真実かどうか、みんなに公平か、好意と友情を深めるか、みんなのためになるかどうか。これは、“三方よし”と同じかそれ以上の言葉かもしれないと思います。みなさんがそのような気持ちで認め合い、社会のために尽くすことが職業奉仕です。是非心のどこかに留めておいてください。

今宵は、他にもいろいろと話したいことがあったのですが、時間がなくなってしまいました。最後に、少し笑っていただきましょう。

改札を 通れず よく見りゃ診察券

三時間 待って、病名 加齢です

立ち上がり 用事忘れて また座り

本日はご清聴ありがとうございました。