活動報告

私たち東京武蔵野中央ロータリークラブは、さまざまな職業のメンバーが
その経験と知識を生かして社会奉仕活動や人道的活動に取り組んでいます。

「メンバーズデー(8月)」(2025/8/7)

その他の活動

メンバーズデー(8月)につき、”8月のお祝い”と、”ロータリーの友8月号の読み合わせ”、”会員スピーチ”をおこないました。

*8月のお祝い(会員誕生日、ご夫人お誕生日、ご結婚記念日、その他のお祝い)

おめでとうございます。

*ロータリーの友8月号の読み合わせ/臺会長エレクト

*会員スピーチ

「私の職業」石澤会員(2005年3月入会)

ロータリー会員における私の職業分類は「外科医」ですが、正確には「脳神経」専門医です。

2024年9月現在、脳神経外科専門医の数は、7935名ですが(脳神経外科学会員:10594名:74%が専門医)、私の専門医認定番号:789であり、よって、脳神経外科専門医制度が導入された超早期に認定された認定医と言うことになります。合格率は50~60%で、取得するのにそれほど簡単な資格ではありません。5年毎に更新されますが、更新のためには複数の指定学会への参加、その中で行われる各種講演、講習会聴講、症例登録(120症例以上)などが必須要件で、一定の単位を取得する必要があります。私は来年末に次の更新が控えていますが、一応、この更新資格はほぼ満たしており、次の5年間も「脳神経外科認定医」として診療を行うことができそうです。

さて、さらに正確かつ厳密に言えば、現在の私は「外科医」ではありません。

約20年前に遡る59歳の頃、外科医としての「メス」を置き、当地吉祥寺でクリニックを開設しました(ロータリー入会とも重なります)。

「メスを置いた」その理由は、手術における脳神経外科医としての“矜持”にかかわるものでした。脳外科のメジャーな手術は、一般に数時間~時には十数時間にも及ぶ過酷なものですが、このような生活を40年近くに亘り続けてきたこの頃、「これからもずっと、このような手術に対して責任を持って最後までやり遂げることができるだろうか?」という思いに駆られるようになりました。今日の手術が無事完璧に終了し、患者さんの術後経過も良好で結果に満足しホッとしたその瞬間、「体力、そして就中、今日のこの気力と集中力を、次の患者さんに対しても同じように最後まで維持し続けることができるだろうか?」と言う不安でした。この時、これが「脳神経外科医としての潮時」かなと “メスを置く”決心をしました。それまで培ってきた脳神経外科医として有り様を、全て失うような喪失感に襲われたのですが、この時考えたことは、失ったものやできないことだけに目を向けるのではなく、今の状況の中で“できることに目を向ける”ことが、次への道に進むための大きな助けとなるという思いでした。

それから私の『次の20年』が始まりました。それまで脳神経外科医として診療に関わって強く感じてきたことは、「脳卒中の患者さんのほとんどが、その原因となる高血圧症、糖尿病、脂質異常症、肥満症といった生活習慣病を長く放置した結果、患者さん自身のみならず、その家族をも悲惨な状況に追い込んでしまう」という現実でした。この現実を目の当たりにしてきた、非外科医の「脳外科開業医」である私は、

  • 自分と関りを持った患者さんを、絶対に脳卒中などの動脈硬化性疾患から守り抜く。
  • 残念ながら脳卒中を発症し当院を訪れた患者さんには、絶対に再発を起こさせない。

と言う信念のもと、その後の20年間、現在に至るまで、生活習慣病の厳格な管理・治療に徹底して取り組んできました。

医師となってほぼ55年となりました。巷間、「爺医は退場しろ」との声も多く聞かれますが、私は今なお、患者さんに対してより良質かつ適切な医療を提供するため、可能な限り新しいことを学びながら診療に従事しており、自分の医療者としての生き方に一点の曇りもありません。よって、限られた人生とはなりましたが、もうしばらくは、前向きに医師としての人生を歩んでいこうと考えています。

これまで歩んできた道を振り返る中で、印象に残る私の好きな言葉をご紹介します。

「ラビットマインド」

脳外科恩師の言葉。脳外科医は、大きな耳をそばだて、びくびくしながら臆病に生きる兎の如く、全てに細心の注意を払いながら生きねばならない。 どちらかというと、石橋を叩いても渡ることをためらいがちな、消極的な性格であった私は、“こんな自分は脳外科医としての人生を全うできるのだろうか?”という一抹の不安を抱えていました。 「脳外科医にとって“臆病”こそ最も大切な資質」と言うこの言葉によって、脳神経外科医として生きていく“腹が決まった”ことを覚えています。 脳外科医に限らず、医師の重要な資質として今も大切にしています。

「正射必中」

正しくいれば射れば、必ず当たる。高校時代、和弓をしていた時の師範の教えです。 弓から放たれた矢は、もはや自分の意志ではどうすることもできない。 弓を引き切ったその一瞬、矢を放つまでの所作、型で結果は決まる。

「過去の因を知らんと欲せば、其の現在の果を見よ、未来の果を知らんと欲せば、其の現在の因を見よ」

:大乗本生心地観経から。(因みに、当家は仏教徒ではなく、神道ですが・・・)。 今の有り様を今更悩んでも仕方のないこと、それはそれで受け入れ、今を正しく生きれば未来の結果はついてくる。この年になれば、もはや限られた未来ではありますが、そんな気持ちで過ごしています。

「吐くな“溜息”、言うな“よっこいしょ”、背筋伸ばして、“深呼吸”」

何をするにも、“溜息”をついたり、“よっこいしょ”と掛け声をかけることがあまりにも多くなったと感じ、ある日、その頻度を数えてみました。診療所に着いてから、掃除、始業準備、診療開始まで20回以上、その後の回数は、ゴルフで多叩きしたときと同じで、覚えていることができませんでしたが、恐らく数十回にはなるでしょう。

おばあちゃんに、「溜息つくと、幸せが一つ逃げてくよ」と言われた事を思い出し、考えついた標語です。

忘れないように、診察室の目の前の壁に貼って時々復唱しています。

「現場から生まれた、私のロータリー観」齋藤会員(2008年1月入会)

本日は、このような貴重な機会をいただき、心より感謝申し上げます。 私は、18歳から今日まで32年間、建設業の現場監督として、ものづくりひと筋に歩んでまいりました。本日は、50歳という人生の節目を迎え、これまでの半生を振り返りながら、私の仕事への情熱、そしてロータリークラブへの思いについてお話しさせていただきます。

私が建設業の道に進んだのは18歳の時でした。秋葉原にある建設会社に人社し、最初に配属された現場は、新宿警察署の真裏のRC造(地下1階、地上6階建て)で、右も左もわからないことばかりでした。毎日が失敗と反省の連続で正直、逃げ出したくなり配属されてから2週間ぐらいで仮病を使い休みました。

次の日、所長から鬼の様に怒られたことは言わなくてもお分かりだと思います。まだ仕事を覚えていないので、当然職人さんには馬鹿にされ、言うことを聞いてもらえず必死に仕事をしたのを覚えています。

しかし、何もない更地から、少しずつ建物が形になっていくのを見た時の感動は、今でも忘れられません。

新築も少なくなり、15年ほど前ぐらいからは、マンションの改修工事や住宅リフォームが多くなりました。新築のようにゼロから作り上げるのではなく、すでに建っているものを直していく仕事なので、建物の構造、細かい部分の納まりなどしっかりと覚えていないと出来ない仕事です。

新築工事と改修工事。同じ建設業でも、全く違うものづ<りの喜びがあることに気づきました。

住宅リフォームでは、お客様の「こんな家に住みたい」という具体的な夢や、日々の生活の中での不満に直接耳を傾けます。お客様の暮らしに寄り添い、共に理想の住まいを作り上げていく喜びを深く感じました。

工事をする建物の壁の中や床の下に隠された建物の歴史や、過去の職人さんの工夫を発見する面白さがあります。「前の職人さんは、こんなふうに仕事をしていたのか」と、時を超

えて対話しているような感覚です。古くなった建物を単に修繕するだけでなく、新しい機能やデザインを取り入れることで、建物に再び命を吹き込みます。「古いものを活かしながら、新しい価値を創造する」というこの仕事に、私は大きなやりがいを感じるようになりました。

お客様からの要望に今までの経験はもちろん、新しい情報を収集して限りなく近づけることをモットーにしています。私自身、お客様に自分の経験にない仕事や、通常の使用方法では出来ない様な品物の取付などを相談されると、とても楽しくなります。

皆様、何かありましたら是非、ご相談ください。よろしくお願いいたします。

このような仕事人生の中で、私はロータリークラブと出会いました。奉仕の精神、職業を通じて社会貢献するというロータリーの理念は、私の「ものづくり」に対する思いと深く共鳴しました。このロータリークラブで、様々な職業を持つ皆様と交流させていただく中で、私の視野は大きく広がりました。私の知らない世界の話を聞くたびに、新たな発見と刺激をいただいています。

結びになりますが50歳を迎え、これまでの道のりを振り返ると、新築工事のダイナミックさ、そして改修工事のきめ細やかさ、どちらも私にとってかけがえのない経験です。多くの

人々の支えがあったからこそ、今の私があるのだと改めて感じています。これからも、ものづくりの現場で培った「人の力を信じる心」「変化を楽しむ心」「社会に貢献する心」を大切にしながら、ロータリークラブの一員として、皆様と共に奉仕活動に励んでいきたいと考えています。

本日はご清聴いただき、ありがとうございました。